津地方裁判所 平成8年(わ)193号 判決 1996年12月13日
本店所在地
津市雲出本郷町字大日堂五九五番地の一
有限会社
大日堂
(右代表取締役 笠井昭夫)
本籍並びに住居
津市雲出本郷町一三一二番地
会社役員
笠井昭夫
昭和二年六月二二日生
右の者等に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官下川徳純出席の上審理して、次のとおり判決する。
主文
被告人有限会社大日堂を罰金三〇〇〇万円に、被告人笠井昭夫を懲役一年二月にそれぞれ処する。
被告人笠井昭夫に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人有限会社大日堂は、津市雲出本郷町字大日堂五九五番地の一に本店を置き、遊技場の経営・不動産賃貸等を目的とする有限会社、被告人笠井昭夫は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人笠井は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上げの一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 平成四年四月一日から同五年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が七〇三二万八一一〇円あったにもかかわらず、同年五月三一日、津市桜橋二丁目九九番地所轄津税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が零で納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二五六〇万〇四〇〇円を免れ
第二 平成五年四月一日から同六年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が九三五三万八六六一円あったにもかかわらず、同年五月三一日、前記津税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が零で納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額三四三一万六一〇〇円を免れ
第三 平成六年四月一日から同七年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が一億三二八七万九五八一円あったにもかかわらず、同年五月三一日、前記津税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が零で納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額四九〇五万七五〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一 当公判廷における被告人会社代表者兼笠井昭夫の各供述
一 記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)甲1ないし39、乙1ないし13の各証拠
(法令の適用)
罰条 判示各事実につき(被告人両名)
法人税法一五九条一項、二項(被告人会社につきさらに同法一六四条一項)
刑種の選択 被告人笠井につき所定刑中懲役刑を選択する。
併合罪加重 平成七年法律第九一号による改正前の刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(被告人笠井につき犯情の重い判示第三の罪の刑に法定加重)、四八条二項(被告人会社)
執行猶予(被告人笠井) 前同刑法二五条一項
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 上本公康)